IT業・コンサル業
1.IT業・コンサル業の皆様へ
IT業・コンサル業は、労働集約型のビジネスモデルであることが多く、従業員とのトラブルが発生しやすい業界といえます。また、さまざまな関係法令があり、コンプライアンスに関心が高い業種ともいえます。
当事務所においては、IT業・コンサル業の顧問先が多数あり、これまでの経験をもとに、貴社の事業を支援してまいります。
2.IT業・コンサル業のための顧問サービス
IT業界といっても、インターネットweb業界、通信業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界、情報処理サービス業界、IT関係の知見を用いてコンサルティングを行っている業界など多岐にわたり、BtoBのビジネスモデルの業種もあれば、BtoCのビジネスモデルの業種もあります。
ここでは、一般にみられるIT業界・コンサルティング業界全般に見られる経営法務課題とBtoB、BtoCに見られる経営法務課題を見ていきます。
2.1 IT業・コンサル業に見られる経営法務課題①:人事労務
IT業界でよく見られる経営法務課題は、人事労務があげられます。
人事・労務については、こちらのページをご参照ください。
2.1.1 労働紛争対応
IT業界・コンサル業界においては、一般に長時間労働の傾向にあると言われており、現によく見られる労働紛争としては、未払残業代の請求や長時間労働によりメンタルヘルスの問題が生じたなどにより、損害賠償請求や休職・復職時のトラブルがあります。
また、専門技術や知識経験が期待水準に満たず、有期の雇用契約終了時のトラブルも散見されます。
労働者・元労働者からの労働紛争は、労働審判、訴訟に発展することも少なくなく、一般に、IT業・コンサル業は、給与・報酬の水準が高いため、会社側のリスクも大きくなる傾向にあり、慎重に対応する必要があります。
2.1.2 労務管理・問題社員対応
IT業界・コンサル業界においては、長時間労働の傾向にあったり、納期直前の業務量が大きく増大したり、深夜帯の作業が必要であったり、深夜帯の作業を好む従業員が多くいるなどの特徴も見られます。このような場合には、固定残業代の導入、変形労働時間制、フレックスタイム、(一定の業種では)専門業務型裁量労働制の導入など適切な労務管理の方法を導入する必要がありますが、これらの制度は、無理な制度とすると無効と判断され、かえって不利益を被る可能性があります。
また、IT業界・コンサル業界ではチームで業務を行うことも多く、能力不足により他の従業員の業務効率も落ちてしまうほか、単なる能力不足ではなく協調性に欠落しているなど、退職を勧奨すべき事案も見られます。
従業員間でのセクハラ・パワハラも多くみられる業種といえ、このような問題社員がいる場合には、適正に対処する必要があります。
2.2 IT業・コンサル業に見られる経営法務課題②:契約書類等リーガルチェック
IT業界・コンサル業界においては、契約書類のリーガルチェックの法務ニーズが高いといえます。日本弁護士連合会「中小企業弁護士ニーズ調査報告書」においても、不動産業に次いで法的課題と認識する会社の割合が多いとする統計結果があります。
例えば、システム・ウェブサイト・アプリ等の開発業務を行う会社においては、契約不適合の問題、著作権の問題、出来高の問題等トラブルになりやすい類型であり、契約書の重要性を認識しているものと考えられます。
ほかにも、BtoCのビジネスモデルを展開しているITサービス会社では、利用規約等を含む規約等の整備も含め、契約書類のリーガルチェックを法的課題と認識している会社が多くあります。
このような契約書類の作成・リーガルチェックについてはこちらをご参照ください。
2.3 IT業・コンサル業に見られる経営法務課題③:コンプライアンス
日本弁護士連合会「中小企業弁護士ニーズ調査報告書」によると、コンプライアンス体制整備についても、IT業界では関心が高いと読み取れます。
IT業界には以下のようなコンプライアンス上問題となり得る点があり、若い経営者も多いことから、関心が高いものと考えられます。
コンプライアンスについては、こちらをご参照ください。
2.3.1 偽装請負問題
IT業界・コンサル業界に特徴的な働き方として、開発・保守など、自社の従業員を客先に常駐させ、その勤務実態や会計処理上、指揮命令監督が及んでいないケースが多くみられます。
このような働き方は、業界としては一般的に行われていることであっても、コンプライアンス上は、いわゆる偽装請負に該当してしまう可能性があり、労働派遣法に違反し、労働局から是正指導を受けたり、最悪の場合は刑事罰に処せられてしまう可能性もあります。
2.3.2 労働者性の問題・下請法違反
IT業界・コンサル業界では、フリーランスに業務委託や請負契約にて業務を依頼することも一般に多く行われています。しかしながら、一般の理解よりも、労働者性は広く該当する傾向にあり、勤務実態等から労働者性があると判断されると、労働保険・社会保険の加入義務、未払残業代の問題、解雇規制などの労働法制上の規制を受け、想定していた契約ではなくなってしまうおそれがあります。
また、IT業界・コンサル業界のうち、システム開発等の業種では、請負契約が多層化していることも多くありますが、これらの業種では、下請法上の情報成果物作成委託や役務提供委託に該当する可能性があり、資本金要件次第では、下請法による規制を受ける可能性があります。
2.3.4 セクハラ・パワハラ予防
IT業界・コンサル業界においては、激務であったり、ハードワークであることも多く、このような労働環境から、セクハラ・パワハラが発生しやすい傾向にあります。
セクハラ・パワハラにより、被害従業員に大きな被害が生じると、会社の安全配慮義務違反を問われたり、最悪の場合マスコミ等に大きく取り上げられる事態となり、レピュテーションリスクが内在しているといえます。
そのため、会社としては、セクハラ・パワハラを予防する環境を整えることが重要です。
2.3.5 個人情報管理・情報管理
IT業界・コンサル業界においては、顧客の個人情報に触れることも多く、その情報管理には特に関心が高い傾向がみられ、日本弁護士連合会「中小企業弁護士ニーズ調査報告書」においても、IT業界・コンサル業界が突出して関心度が高いといえます。
このような個人情報管理・情報管理は、技術面だけではなく、法的側面から物理的・人的管理を行っていく必要があります。
2.4 BtoBのIT業・コンサル業に見られる経営法務課題:債権回収・損害賠償
BtoBのビジネスモデルの業種では、システム・ウェブサイト・アプリ等の制作・開発を行う請負契約やITサービスを行う準委任契約などを提供することがありますが、完成前は目に見えにくいものを取り扱うため、齟齬が生じたり、成果物に契約と適合しない部分があるなど、紛争が特に生じやすい業種であるといえます。
契約不適合責任を追及(損害賠償請求等)したり(されたり)、報酬が支払われなかったりするなど、契約トラブルが発生した場合の債権(報酬請求権、損害賠償請求権)を回収することも重要な経営課題といえます。
債権回収については、こちらをご参照ください。
2.5 BtoCのIT業・コンサル業に見られる経営法務課題:インターネット風評被害、少額の債権回収
BtoCのビジネスモデルでITサービスを提供している会社は、悪質な書き込みに対する削除請求や発信者情報を特定して損害賠償請求を行うなどの措置を検討する会社もあります。また、顧客がこのような問題をかかえているとご相談を受けることも多くあります。
インターネット風評被害に関する業務分野はこちらをご参照ください。
そのほか、BtoCのIT業・コンサル業においては、報酬額も1件あたりは少額となることも多く、債権回収も容易ではないことがあります。すなわち、債権回収において、少額であっても、回収の労力は最低限かかるため、弁護士費用もスポット料金では減額するにも限度があり、費用対効果の問題が生じます。
当事務所においては、このようなケースを解決するため、顧問契約を利用して定期的な少額債権回収に関する特別プランを用意しております。
少額な債権回収の特別プランはこちらをご参照ください。
3.当事務所の特長・費用等
3.1.1 相談できる関係・話しやすさを重視
当事務所は、設立以来、クライアントにとって相談しやすい関係性を作っていくことを重視してきました。
顧問弁護士はいるが、相談しにくいというご相談をいただくこともあり、そのような関係性では、法的な問題発見が遅れたり、経営層・担当者の法的問題点の発見・解決を通じた法的リスクへの感度も醸成されず、誤った解決を続けていってしまう可能性があります。弁護士側からしても、小さなご相談でもいただくことで、継続的な関係が深化することで、企業の文化・風土含む考え方やビジネス内容をより深く理解でき、実態に即した適切な解決がご提案できるようになります。
何より、弁護士は、クライアントの味方であるにもかかわらず、味方であるはずの弁護士とのコミュニケーションが苦痛であることはできる限り避けたいと考えています。
そのため、当事務所においては、できる限り話しやすく気軽にご相談いただける関係を心掛けています。
顧問契約では、「相談予約の優先対応」「弁護士の携帯電話・LINE・チャットワーク連携」が全プラン対応しておりますので、よりご相談がいただきやすい体制としています。
3.1.2 多分野・多業種にわたる紛争解決経験・中小企業法務の経験
当事務所においては、一般企業法務から人事労務、債権回収、その他、相続・離婚・交通事故などの個人法務、経営の日常問題まで、多分野・多業種にわたる紛争解決経験があり、紛争解決分野であればほとんどの分野に対応していますので、複雑に絡み合った貴社のトラブルに対応していくことができます。
3.1.3 総合診断者としての弁護士・他士業との連携
日々の会社経営で困った際に、「誰に相談していいかわからない」という相談を受けることも多々あります。
弁護士の業務領域ではない場合でも、専門家の目から見て、適切な相談先を判断しやすいといえます。
当事務所の所属弁護士は、税理士・司法書士・社会保険労務士・不動産鑑定士・その他の隣接他士業とも協力関係にあり、適切な解決ができるようサポートいたします。
3.1.4 ビジネスへの理解
ときに弁護士に相談すると、理論的に考えられる法的なリスクのみ指摘し、ビジネスが進行しないという悪いイメージもあるかもしれません。
当事務所の弁護士は、できる限り貴社のビジネスを理解し、法的なリスクの程度を検討し、柔軟で創造的な解決を探れる情報を提供するよう努めています。
当事務所は、代表弁護士の個人事務所時代から、このような姿勢で業務に取り組み、認定経営革新等支援機関に指定されています。
3.1.5 複数弁護士在籍の弁護士法人
弁護士法人制度は、弁護士法の一部を改正する法律(平成13年6月8日法律第41号)によって創設されており(平成14年4月1日施行)、株式会社などと比べると比較的新しい制度です。
そのため、法律事務所には、いまだ個人事務所が多いといえますが、当事務所は、弁護士法人制度の目的である、弁護士業務の基盤を拡大強化することにより、複雑多様化する法律事務に対応し、クライアントの利便性の一層の向上を図ること、そしてそのために、弁護士に永続性のある組織化した法律事務所である弁護士法人を選択し、社会の多様な要請に対応できる体制を作る、という理念に共感し、弁護士法人化を選択しております。
複数弁護士在籍の弁護士法人であることにより、クライアントに対し、近年の複雑化・高度化・多様化した法的ニーズに対応し、継続的なリーガルサービスを提供していくことができます。
また、個人事務所の弁護士に対して報酬を支払う場合には、源泉徴収義務が発生しますが、このような面倒な手続もありません。
3.1.6 明確かつ適切な費用体系
法律事務所のなかには、料金表がなかったり、料金表があっても、旧日弁連の報酬基準表の抜粋があるのみで、個別案件についてどの程度の料金がかかるのか予測できず、敷居が高いイメージもあったり、企業法務分野では、案件が流動的に派生していくことも多く、事前に定まった金額を提示することが難しい面があり、タイムチャージ方式をとる法律事務所も多くあります。
当事務所においては、顧問契約の内容だけではなく、個別案件についてもできる限り詳細な費用体系を事前に料金表を掲示してご提示し、費用感を事前に予測することができるよう努めています。
3.1.7 顧問会社多数・顧問契約によるさらなるメリット
- コミュニケーションをより取りやすく
- 法務の充実・法務コストの削減
- 対外的信用の向上、交渉上のカードに
- 役員・従業員の福利厚生
- 顧問料はクレジット払、口座振替に対応
顧問契約は、顧問契約のページをご参照ください。
3.2 費用
料金表はこちらです。