顧問契約・セカンド顧問契約
1.顧問契約のススメ
少し古い統計結果になりますが、2017年8月報告の「第2回中小企業弁護士ニーズ全国調査報告書」によると、10年以内に弁護士のリーガルサービスを受けていないとする企業は、全体の55.7%と過半数を超えています。利用したことがあるとする会社においても、3分の1程度は、訴訟等の紛争解決などのスポットの依頼であったと読み取れます。
その理由として、同調査によると、弁護士のリーガルサービスを利用したことがない企業は、「特に弁護士に相談すべき事項がないから」という理由が86.3%であり、圧倒的に多いといえます。
もっとも、従来は長年顧問弁護士がいなかったという企業様に紛争案件が発生し、スポットでのご依頼をいただき、紛争解決後に顧問契約を締結することもありますが、そうすると、次々と法律問題のご相談をいただくことがあります。
これまで従来型の会社独自の解決をしてきた問題が実は法的な問題であり、「特に弁護士に相談すべき事項がない」と考えていたものの、気軽に相談できる弁護士がいると、潜在的な法的ニーズが浮かび上がってくるものと思われます。
さらにいえば、現代社会においては、法的ニーズが複雑化・高度化・多様化していく傾向にあり、従来型の会社独自の解決方法が通用しにくくなってきているといえます。従来型の誤った「解決」の積み上がりによって、重大な法的問題が隠れていることに気づかず早期発見が遅れてしまったり、適切な解決がなされない企業体質が出来上がってしまうなど、企業の持続的な成長にはマイナスな側面があると考えられます。
大きな「紛争」とその「解決」を経験した経営者は、紛争が生じやすい事実関係や対応方法、法的観点の感度が上がり、より法的リスクに強い企業体質となっていくように感じています。大きな「紛争」まで生じなくとも、小さな「疑問」や「違和感」を感じ、それを放置せず、気軽に法律の専門家に相談してみることで、紛争の芽を見逃さない企業の眼を養っていくことができるものと考えられます。担当する弁護士の側面からも、貴社のビジネスモデル、企業風土、法的なリスクに対する考え方などが理解でき、より貴社に適合したリーガルサービスを提供できるとともに、対応の工程を減少させることができ、スポット料金よりもリーズナブルな費用によりご提案が可能となります。
当事務所は、開所以来、企業の紛争解決に取り組んできており、経営者や企業担当者との日常的なやり取りを通じ、貴社を法的リスクに強い企業体質にしていく支援をしていきたいと考えております。
2.当事務所の顧問サービスの特長
2.1 当事務所の顧問サービスのメリット
2.2 取扱分野別の活用方法
取扱分野別の法務経営課題のサポートについては、取扱分野別のページをご参照ください。
ここでは、当事務所の顧問サービスを利用し、積極的に貴社のビジネスに活用する一例をご紹介します。
2.2.1 弁護士経験×テクノロジー(AI契約審査)
取引先から契約書のドラフトを提示してほしいと言われて困ってしまったことや、提示されている契約書の内容に不利な条項がないか、有利に修正するにはどのようにしたらよいか、お困りの経営者・法務担当者も多くいらっしゃいます。
顧問弁護士は、貴社のビジネスや考え方を理解し、スムーズに契約書等のリーガルチェックが可能となります。
当事務所においては、AI契約書審査プラットフォームを導入しております。
最先端のAIによる正確な補助とチェック機能を弁護士の経験とノウハウにより用いることで以下のような相乗効果があります。また、典型的な契約類型であれば、一般的なひな形をご提供することも可能です。
- スピーディにより多くの契約書のリーガルレビューが可能に定型的な契約書であれば、顧問料内にて対応しています。
- 最新の判例や法改正、抜け漏れを防ぎやすい
AIの特長である正確さを補助的に利用することができます。
契約書・各種規約・規定等整備はこちらです。
2.2.2 問題社員対応・従業員教育に活用
問題社員への対応は、さまざまな派生問題が生じたり、対応方針が当該社員の対応により日々変動しやすく、スポットでの対応に向かない性質があります。
そのため、顧問契約の中で変動する案件に対応していくことで、スポット契約の追加や変更などをすることなく、スムーズに対応していくことができます。
※特定の労働紛争対応(残業代・地位確認等、損害賠償請求対応など)以外の退職勧奨・社内処分・従業員管理サポートは、顧問契約の併用を原則としてお願いしており、併用するスポット料金は抑えた費用設計としております(詳しくは、こちらをご参照ください。)。
また、企業の安全配慮義務の履行、対顧客との関係での損害賠償請求対策をするにあたり、各種ガイドラインにおいても、従業員教育は必須の要素となっています。
当事務所においては、現実化した従業員との紛争解決業務や取引先との間の紛争解決業務、対消費者との紛争解決業務を数多く行ってきた経験から、従業員教育(社内研修のマニュアル作成や研修講師)についても担当しております。
顧問プランによっては顧問料内で対応することが可能です。
人事・労務はこちらです。
2.2.3 顧問契約を利用した債権回収の特別プラン
支払いが遅滞している相手先に対し、弁護士の名義で通知することで任意の支払の可能性が高くなり、また、最終的にも法的手続を用いる方法での回収業務を行うことができます。
もっとも、低額な債権だとスポット料金の弁護士費用で費用倒れになってしまう可能性や、定期的に生じる債権回収業務に割引をしてほしい、というニーズもありました。
当事務所においては、以下の顧問契約を利用した債権回収の特別プランを用意しています。
少額債権の定期回収サービス
簡易な債権回収(特定記録郵便/内容証明郵便送付まで)には、顧問契約の全プランにて対応しております。
弁護士名義での催告文書により一定の任意支払が期待されます。
内容証明郵便送付によって任意の支払がなされない相手先に対しては、法的措置を検討せざるを得ませんが、その場合も顧問契約のプラン、事案の難易度、月の業務量の多寡によって、弁護士費用を大幅に調整しております。
通常債権の割引サービス
顧問契約の個別案件の弁護士費用の割引が適用されます。
また、顧問契約のプラン、事案の難易度、月の業務量の多寡によって、弁護士費用の調整をしております。
まとめて債権回収(多数回割引)
貴社サービスから定型的に発生する債権回収(違約金、報酬請求、代金請求、建物明渡・未払賃料回収等)がある場合には、請求額の金額、定型的に発生する頻度等を考慮し、まとめて債権回収として個別にお見積りをいたします。
企業間紛争・契約トラブル・債権の保全・回収はこちらです。
顧問契約を利用した債権回収の費用については、こちらを参照ください。
2.2.4 顧問契約を利用した不動産管理サポートプラン
建物明渡(賃料未払)特別プラン
賃料未払という賃貸借契約の中核的義務の不履行が2か月以上ある場合、弁護士費用を抑えた特別プランを用意しております。
顧問契約を併用する場合には、特別プランからさらに弁護士費用の割引が適用され、3回目以降の期日出頭の際の日当もかかりません。
賃料増減額請求対応特別プラン
賃料増減額に関する紛争は、弁護士費用や不動産鑑定費用等の費用がかかる可能性がある反面、良い結果が得られた場合ですら経済的利益が費用に対して大きいとは言い難い面があります。
そのため、顧問契約を併用することで、着手金を無料とする特別プランを用意しております。顧問プランの業務量の範囲内で他のリーガルサービスをご利用いただくことが可能であり、スポットでご利用いただくよりもメリットがある活用方法です。
建築・不動産はこちらです。
費用については、こちらをご参照ください。
2.2.5 従業員を護る従業員専用ルーム(ビジネスチャット)
弁護士への相談は、経営層や法務部・総務部の一部を通じて行うことが多くあると思います。
もっとも、取引先から急な対応を求められたり、悪質なクレームに直面しているなど、すぐに顧問弁護士に連絡を取りたいという現場ニーズも一定数あるように見られます。
当事務所においては、従業員に対しても、ビジネスチャットを告知することで、スピーディに現場の従業員から直接連絡を取れるようにしています。
消費者問題・トラブル対策・クレーム対応はこちらです。
全国展開をしており、各支店からも直接連絡をとりたいというケースなどにもご活用いただけます。
2.2.6 顧問契約を利用したM&A・事業再生
M&A分野や事業再生分野は、複数の派生問題が生じたり、業務を行わないとわからない面があり、着手金・報酬金方式になじまず、弁護士報酬の算定方法につき、弁護士が稼働した時間に対して1時間あたり単価をもとに計算するタイムチャージ方式を用いる例が多くあります。
しかしながら、中小企業のスモールM&Aや事業再生分野では、かけられる予算が限定的であり、弁護士費用の総額が読みにくいタイムチャージ方式が使用しにくい面があります。
当事務所においては、着手金・報酬金方式と顧問契約を併用し、クライアントに年間の予算感が立ちやすいようにしています。
M&A・事業承継・経営権紛争はこちらです。
破産・再生はこちらです。
費用については、こちらをご参照ください。
2.2.7 顧問契約を利用した不当な損害賠償等対応
企業間紛争や、消費者からの不当な損害賠償請求を受けた場合、損害賠償請求への対応について、訴訟対応等のコストは一般の損害賠償請求を受けた場合と大きく変わらないため、一般的な弁護士費用だと、不当な請求に対する対応コストが見合わない可能性があります。
当事務所においては、顧問契約の全プランにおいて「交渉バックアップ」に対応しており、貴社にて交渉する場合のサポートをしております。
少額案件については、月額5万円~の顧問契約プランにおいて、「少額事件の直接交渉」に対応しております。
※訴訟対応等が必要となる場合には、別途費用が必要になりますが、その場合も顧問プラン・事案の難易度・月の業務量の多寡によってスポット料金よりも減額調整をご提案できる場合があります。
個別案件をご依頼いただく場合も、プランに応じた「個別案件の弁護士費用の割引」の適用があるほか、月額の業務量が長期にわたり継続的に少ない場合には、さらに弁護士費用を調整してご提案できることがあります。
企業間紛争はこちらです。
2.3 業種別の活用方法
業種別の法務経営課題のサポートについては、業種別のページをご参照ください。
ここでは、当事務所の顧問サービスを利用し、積極的に貴社のビジネスに活用する一例をご紹介します。
2.3.1 商品・サービスの魅力を法的側面からセミナー(損保代理店/不動産業/IT・コンサル業など)
例えば、損害保険のご提案や不動産オーナー向けの管理業務のご提案において、同商品・サービスがない場合にどのような法的リスクが生じるか、という点は、弁護士の見解をもってより説得的なものとなります(ただし、具体的な内容については守秘義務があり、不当な商品・サービスなど取り扱えないものはあります。)。
このようなリスク対策商品を販売する従業員向けに実際に生じるリスクをよりよく理解していただくための社内研修を行うことも可能ですし、貴社のニュースレター等の営業資料に寄稿することも可能です。
当事務所においては、このような貴社の魅力ある商品・サービスを法的側面から分析し、顧客へのセミナー等にて、関連法令等に反しない限りにおいてサポートいたします。
貴社の顧客の紛争が案件化する場合には、顧客との間の委任契約となり、顧客に費用が発生してしまいますが、その場合も、貴社の顧問割引を適用しますので、割引価格にてご案内ができ、顧客へのサービスが可能です。
2.3.2 入居者・家族へのサービス(介護・社会福祉法人)
介護・社会福祉法人の経営法務課題は、利用者とのトラブル、従業員とのトラブル、行政対応、社内整備、不動産問題等が挙げられます。
このような紛争解決だけではなく、当事務所においては、企業法務と遺産相続分野に注力しているため、介護・社会福祉法人の入居者・家族に関心の高いテーマのひとつである「遺産相続」に関するセミナーや相談会を実施するなど、積極的な事業活動の一環としてもご活用いただけます。
相続専門サイトはこちらです。
2.3.3 顧客からの質問・面談同席サービス(関連士業)
士業の先生方の経営課題は、債権回収分野、クレーム対応、人事労務分野に多く見られますが、このような活用方法だけではなく、事務所のポジティブな側面にもサポートを提供しております。
案件を依頼し合う提携関係にある弁護士がいる場合でも、案件につながらない細かい法的な問題を聞いたり、顧客との面談に弁護士も参加してほしいけれども案件にはつながらないというケースも見られます。
当事務所においては、このようなケースに、利益相反等弁護士職務基本規程に反しない限り、顧問業務として対応しております。
案件化する場合には、顧客との間の委任契約となりますが、その場合にも「個別事件の弁護士費用の割引」が適用されますので、顧客に割引価格で案内することが可能です。
2.3.4 不動産管理サポート(不動産業)
不動産の賃貸管理においては、賃貸借契約書締結時のトラブル、賃貸中の悪質な入居者とのトラブル、賃貸中の漏水事故等のトラブル、退去時の敷金や原状回復をめぐるトラブル、更新時のトラブル、賃料滞納などの賃料関係のトラブル、クレーム対応等の日常の業務をするにあたり、法的な見解が必要となる場合、通常の顧問業務としてご相談いただけます。
これに加え、紛争性が生じている場合には弁護士法72条の問題が生じるため、オーナー様との委任契約となりますが、弁護士が代理することが必要となります。その際、貴社顧問割引を適用し、オーナー様にもメリットがある形でご依頼いただくことが可能です。
2.3.5 区分所有者・入居者の法律相談・個人案件(管理組合)
当事務所は、総合法律事務所として、相続紛争、交通事故、労働問題、離婚等の個人法務の取扱いもあります。
マンション管理組合との顧問契約にて、区分所有者・入居者の法律相談も可能となりますし、案件の委任契約をする場合には、顧問割引を適用することが可能です。
※ただし、管理組合と利益相反になるご相談はお受けできません。
2.3.6 所属タレントの個人法務(エンターテインメント業)
当事務所は、総合法律事務所として、相続紛争、交通事故、労働問題、離婚等の個人法務の取扱いもあり、タレントや芸能人のクライアントも複数おり、メディア対応の経験もありますので、特殊な業界に配慮して個人法務を行っていくことも可能です。
貴社との顧問契約にて、貴社所属のタレント・アーティスト・芸能人等の法律相談も可能となりますし、案件の委任契約をする場合には、顧問割引を適用することが可能です。
※ただし、貴社と利益相反になるご相談はお受けできません。
2.4 セカンド顧問という選択肢
すでに顧問契約を締結している弁護士がいらっしゃる企業においても、以下のようなご相談をいただくことがあります。
- 顧問の先生がご高齢となり多数の案件をお願いしにくくなっている
- 先代とつながりのある顧問の先生がおり、現経営陣とは相性がいいとはいえないものの、顧問契約の解約はしにくい
- 個別案件が多く発生するので業務量やタイミングに合わせて複数の法律事務所に依頼したい
- 複数の弁護士から見解をいただきたいと考えている
- 紛争解決分野が得意な法律事務所に依頼したい個別案件が発生する
そのため、当事務所においては、セカンドオピニオンだけではなく、セカンド顧問という選択肢をご提示しております。
代理人として個別委任をお受けする法律事務所は1つである必要がありますが、弁護士顧問契約は1つでなければならないことはないため、貴社のニーズに合わせてご活用する選択肢としてご検討ください。
なお、プラン内容は通常の顧問契約と同じです。
※セカンドオピニオンの留意点としては、弁護士職務基本規程72条において「弁護士は、他の弁護士等が受任している事件に不当に介入してはならない。」と規定されており、他の弁護士の方針の適否自体にご回答することはできず、あくまで当事務所としての見解をお伝えすることとなるという点です。
2.5 社外役員としての活用
当事務所は、株式会社の社外監査役、医療法人等の理事・監事、マンション管理の理事・監事外部専門家など、社外役員の就任についても承っております。
顧問契約とは別の委任契約となりますが、ご活用いただければ幸いです。
3.当事務所の顧問契約の費用
料金表はこちらです。